2/21/2011

プホルス選手が求めるA・ロドリゲス選手規模の10年総額2億7500万ドルでの契約は妥当か?

米大リーグのカージナルスは16日、今季で契約切れとなる主砲のアルバート・プホルス内野手(31)との来季以降の長期契約が合意に達しなかったと発表した。プホルスは今季終了後にフリーエージェント(FA)として全球団との交渉が可能になる見通し。ドミニカ共和国出身のプホルスは、2001年から10季連続で打率3割、30本塁打、100打点以上の記録をマーク。ナ・リーグ最優秀選手賞(MVP)も3度獲得している。04年からの総額1億1100万ドル(約93億円)の8年契約は今季が最終年で、球団はFAとなる前に長期での契約更新を望んでいた。しかし、プホルスが代理人を通じて設定した16日の交渉期限までにまとまらなかった。米メディアによると、同選手側は08年から総額2億7500万ドルで10年契約を結んだアレックス・ロドリゲス内野手(ヤンキース)を上回る契約を求めていたという。(共同)

現ヤンキースのアレックス・ロドリゲス選手がマリナーズ時代の2000年オフにFA権を行使し、レンジャーズとスポーツ界史上空前の10年総額2億5200万ドルで契約しました。代理人はもちろんあのスコット・ボラス氏です。この契約はヤンキース移籍後も受け継がれ、2007年オフには残り3年の契約を破棄し10年総額2億7500万ドルと更にスポーツ界での大型契約記録を更新しました。

2009年2月にはステロイド使用疑惑が持ち上がり、本人もレンジャーズ時代の2001年から2003年の3シーズンで使用したと認め、その後ステロイド問題が盛んに議論される様になった08年以降(契約更新の後から)、ステロイド使用を止めた為か急激に成績は降下しています。

そんなA・ロドリゲス選手が最初の大型契約を結んだ次の年の2001年に丁度デビューしたのがアルバート・プホルス選手です。プホルス選手が本当にA・ロドリゲス選手同規模の年俸価値があるのか2人の2001年から2010年までの成績を比べてみましょう。

上がアレックス・ロドリゲス選手
下がアルバート・プホルス選手

2001年 打率.318 52本 135点 OPS1.021
2001年 打率.329 37本 130点 OPS1.013

2002年 打率.300 57本 142点 OPS1.015
2002年 打率.314 34本 127点 OPS.955

2003年 打率.298 47本 118点 OPS.996
2003年 打率.359 43本 124点 OPS1.106

2004年 打率.286 36本 106点 OPS.887
2004年 打率.331 46本 123点 OPS1.072

2005年 打率.321 48本 130点 OPS1.031
2005年 打率.330 41本 117点 OPS1.039

2006年 打率.290 35本 121点 OPS.915
2006年 打率.331 49本 137点 OPS1.102

2007年 打率.314 54本 156点 OPS1.067
2007年 打率.327 32本 103点 OPS.997

2008年 打率.302 35本 103点 OPS.965
2008年 打率.357 37本 116点 OPS1.115

2009年 打率.286 30本 100点 OPS.933
2009年 打率.327 47本 135点 OPS1.101

2010年 打率.270 30本 125点 OPS.847
2010年 打率.314 42本 118点 OPS1.001

通算 打率.299 424本 1236点 OPS.971
通算 打率.331 408本 1230点 OPS1.050


守備位置で一塁手と三塁手の違いはありますが、打撃での数字を見る限りプホルス選手はA・ロドリゲス選手と何の遜色もありません。またA・ロドリゲス選手が通算600号を達成した時のMLBファンの反応が示す様に過去のあらゆる最年少記録などは全てステロイド問題でダークな物になってしまいました。

一方プホルス選手は驚異的な成績から他選手より厳しい薬物検査を毎年受けていますが、一度も引っかかっていません。薬物検査が厳しくなった近年はしっかりタイトルも獲得しています。その意味でこれからプホルス選手が、近年MLBで薬物を使用したと思われるスラッガー達が残してきた記録を塗り替える事にはもの凄い価値があります。

ちなみに他記事でも書きましたがA・ロドリゲス選手がこの10年で受け取った年俸は約259億円。プホルス選手が受け取った年俸は約89億7600万円で約169億2400万円の差があります。